直球感想文 洋館

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by xMUGIx
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ロマノフ朝

◆1914年

*皇帝一家は04月07日から06月18日までクリミアで静養、首都を2ヶ月半留守にする


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ニコライ2世の日記 1914年02月02日

夜に、グリゴリーとお茶を飲んだ。

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■02月12日 首相ココフツォフが罷免される


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首相 ココフツォフ

皇太后◆私はあなたが立派な方であり、
私の息子に何の悪意もお持ちでない事も知っています。
またあなたは私が将来に不安を持っている事もよくわかっていただいていると思います。
私は嫁から嫌われています。私が彼女の権力を妬んでいると思っているのです。
私のただひとつの願いは息子の幸福だけなのを理解してくれません。
私は破局が近づいているのがわかるのです。
それなのに皇帝は周りに何が起きているのかわかっておらず、疑いさえしていません。
あなたは今は何を言おうと自由の身ですから、
まだ遅くないようでしたら皇帝に警告をしてあげてもらえないでしょうか。

ココツフォス◆何もできません。皇后は私を敵だと思っています。
この敵意は1912年以来続いているものです。


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ニコライ2世の日記 1914年02月15日

夕食後にグリゴリーが来て、1時間一緒に話をした。

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ニコライ2世の日記 1914年03月03日

お勤めの時、祭壇にいるグリゴリーを見た。

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ニコライ2世の日記 1914年05月28日

昨日ヤルタに来たグリゴリーと夜の時を一緒に過ごした。

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■06月 ラスプーチンが地元ポクロフスコエ村で、見知らぬ女性に刺される


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ロシア駐在フランス大使モリス・パレオログ

晩餐会の間、私は皇后を見守っていた。
ダイヤモンドが輝いている頭、白錦のデコルテに包まれた姿は、まだかなり美しく見えた。
彼女は右側に座っているポアンカレと会話を絶やさないように努めていた。
だがまもなくその微笑がひきつり始めて、頬にまだらなぶちが現れた。
皇后は絶えず唇を噛みしめていた。熱に浮かされたかのような息遣いのせいで、
胸元を飾っていた網模様のダイヤ細工のネックレスが炎のように揺れ動いていた。
おそらくこの哀れな女性はヒステリーの発作と闘っていたのであろう。


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警察の記録 加害者ヒオニア・グーセワ

私はラスプーチンは偽預言者であり、反キリストであると考えたのです。
私は400人にのぼる偽預言者をナイフで殺めた聖なる預言者に倣って、
ラスプーチンを殺す事を決意したのです。
06月29日の昼食の後、通りを歩いていくラスプーチンを見かけました。
私は短剣をスカートの裏側に縛り付けて隠し持っていました。
それをコートの隙間から引き出しました。
その短剣で彼の腹を1回突き刺しました。
するとラスプーチンは走って逃げようとしたので私は追いかけました。
彼に致命傷を与えようと思って。
彼は地面に落ちていた車の舵棒をつかむと私の頭を一殴りしたので、
私はばったりと地面に倒れました。昼間の事だったのですぐに人が集まり、
「こいつを殺してしまおう」と言いながら例の舵棒を手にしました。
私は立ち上がって群衆に向かって言いました。
「私を警察に引き渡して。どうか殺さないで下さい」


*裁判をしてグーセワの口からラスプーチン批判が出る事を恐れた当局は、
グーセワを精神病院に送った。

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宗教家 イリオドル

川の岸辺に信徒を集めた。その集まりで3人の非常に美しい女性が選出された。
その3人の美女には、ラスプーチンを誘惑し殺害する使命があった。
しかし、そこに参加していたヒオニア・グーセワがこう言った。
「どうして前途あるこの美しい人達の身を破滅させる事ができましょう。
私は醜く誰にも必要とされない女です。私一人で彼を処刑してみましょう。
神父様、私に彼を仕留めよとお命じ下さい。
古代の預言者が偽預言者どもを処罰したように」
私はヒオニヤ・グーセワの贖罪司祭だった。
彼女は18歳までは美しい顔立ちをしていたが、そのご異様に醜くなってしまった。
梅毒で鼻が崩れ落ちてしまったのだ。


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■07月28日 第一次世界大戦始まる
皇帝はモギリョフの大本営と首都を往復するようになり留守が重なるにつれて
皇后・ラスプーチン・アンナの三頭内閣が実権を握る。


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秘密警察の記録 1914年08月25日

ラスプーチンはアンナとともに宮殿に向かった。

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ニコライ2世の日記 1914年09月04日

夕食後に負傷してから初めてグリゴリーに会った。

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ニコライ2世の日記 1914年09月27日

夜グリゴリーが来るのを長い間待ち、それから彼と長時間一緒に話をした。

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ニコライ2世の日記 1914年10月30日

夜にグリゴリーと話をして落ち着き、心の平衡を取り戻した。

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好奇心からラスプーチンに会いに行った女性作家 ヴェーラ・ジュコフスカヤ

私がラスプーチンの家を訪問したのは1914年冬のことだった。
エレベーターは最上階で止まった。私が呼び鈴を鳴らすと、
白いスカーフをかぶった背の低い太った女性(アキリーナ)がドアを開けてくれた。
彼女は間隔の広くあいた灰色の目で私を無愛想に眺めた。
玄関の間からドアが少しだけ開き、
ラスプーチンがスリッパをすりながらそそくさとなぜか横向きに飛び出てきた。
「私の個室にお連れしろ」ラスプーチンは私を指しながら小声でそう言った。
それは窓が一つだけある狭い部屋だった。
ドアの脇にベッドがあり、高くふくらんだクッションを
絹のつぎはぎだらけの毛布が覆っており、横には洗面台があった。
洗面台の脇の窓の前には書き物机があった。
机の真ん中にはフタに国章が施された大きな懐中時計が置いてあった。
イコンはなかったが、窓辺にはイサク大聖堂の祭壇の大きな写真があり、
その上にはさまざまな色のリボンが束ねてあった。

彼は肱掛椅子を近寄せると私と面と向かって座り、私の両足を自分の膝の間にはさんだ。
「お前も坊主どもなど信じちゃならん。連中は馬鹿ですべての秘密を知ってはおらん。
罪は悔い改めるために授かるものだ。ああ、お前は可愛い子だ、ミツバチのようだ。
お前に罪を見せてやろうか?1週間精進して聖体礼儀のあと俺のところへ来てみるといい。
その時、お前の魂に天国が訪れるだろう。
ほら、俺が今から罪というものをお前に見せてやる。
お前はなんで俺の方をそんなに見てるんだ?ミツバチさんよ」
そして身体を屈めキスをした。

サロンとなっている大きな部屋には10人ばかりの女性がいて、
テーブルの端にはジャケットを着て陰気な様子の男が座っていた。
彼の横にはブラウスをはだけた若い身重の女性が肱掛椅子の背にもたれていた。
彼女の大きな空色の瞳は、優しくラスプーチンを眺めていた。
私は後に彼らがピストリコルス夫妻である事を知った。
しかしラスプーチンの所で夫のピストリコルスに会う事はなくなり、
見かけるのは妻のサナだけだった。
サナの横にはリュボーフィ・ゴロヴィナ〔マリア・ゴロヴィナの母〕が座っており、
私は彼女の青白い生気のない顔が気に入った。
彼女は女主人然と振る舞っており、皆に食べ物を勧め会話を絶やさないようにしていた。

私は好奇心を抱きつつアンナを見た。
背が高くふくよかなブロンドで、地味で野暮ったく見える服装をしており、
顔は美しくなく、鮮やかな暗赤色の肉感的な口と、不自然に輝く空色の目をしていた。
彼女の表情は絶えず変化していた。それは捕えがたく裏表のある欺瞞的な表情で、
秘められた肉欲と底なしの不安が、厳格に交替していた。
彼女の隣に座っていたマリアは、
おとなしそうな絶えず瞬いている淡い空色の目で私を眺めていた。
マリアのラスプーチンへの態度は、
聖なる者への崇敬といったものでなく、ある種の盲目的な信仰でした。
ゴロヴィン家のような堅苦しい家庭、
偏狭な倫理観による厳しい規律のもとで育まれた家庭が、
ラスプーチンの放埓な行動を辛抱するどころか、
彼を取り巻いているものに何も気づかないでいるなどということが、
いったいどうして可能だったのでしょう。
うら若い娘が柔和な青白い瞳で私を見つめた。
明るい灰色のドレスとスミレを飾った白い帽子を身に着けた彼女は、
とても小さく見え胸を打った。
彼女の眼差しや言葉の一つ一つに、限りない献身ぶりと心服し切った態度がうかがえた。

あとの女性達は取り立てて言うことのない人々で、皆なんだか同じような顔をしていた。
中学校の制服を着た背の高い少女が入ってきた。ラスプーチンの娘のマトリョーナだった。
皆は彼女に向かってまっすぐに手を差し伸べ、「マーロチカ!」と言って迎えた。
公爵夫人や伯爵夫人たちがラスプーチンの娘にキスする光景は非常に不思議なものだった。
マトリョーナは16歳、ワルワーラは13歳だった。
大きく色鮮やかな唇を備えた彼女達の広く青白い顔には、
荒々しいシベリアの力が激しく溢れ返っていた。
汗の匂いがする彼女たちの力強い肉体は、
薄手のカシミア織で作った地味な子供服からはみ出さんばかりだった。

玄関の間で激しいざわめきが起こった。
「キ~リ~ス~ト~は~甦り~給え~~~り~!」
キンキンした甲高い声で狐つきのようにヒステリックに歌っていた。
ロフチナ夫人は私の横を通り過ぎて、ラスプーチンの肱掛椅子の前でバタンと倒れた。
勢いよく起き上がると彼女は後ろからラスプーチンの頭に抱きつき、
とぎれとぎれの素っ頓狂な声で叫びつつ、猛烈にキスを浴びせた。
「愛しいお前さんよ~、優しいお前さんよ~、おひげさんよ~」
ラスプーチンは懸命に振り払いながら叫んだ。「立ち去れ!サタンめ」
首にかかった手をもぎ放すと、力任せに彼女を部屋の隅に投げ飛ばした。
ロフチナ夫人は息も絶え絶えに寝椅子にたどりつきわめいた。
「でもあんたは~あたしのものなんだ~!あたしは~知ってる~!
あんたは~わたしが~好きなんだ~!」
「お前など大嫌いだ!畜生め」
「でも、あたしはまたあんたにキスしてやる!」
彼女は一瞬にしてラスプーチンに走りよると、彼の頭を抱きかかえた。
ラスプーチンは彼女を壁まで飛んでいくほど強く殴ったが、ロフチナ夫人はまた叫んだ。
「ほら、殴れ!殴れ!殴れ!」
彼女は容赦を知らない恐るべき巫女のようなものを思わせた。
突然アンナがロフチナのもとに歩み寄り、
彼女の前にひざまずいてその手にくちづけをして自分の場所に戻った。
「やっとわかったね!」ロフチナは冷静に言った。
すると今度はムーニャがロフチナの前にひざまづき、彼女の手にくちづけしたのだ。


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ラスプーチンの信者 マリア・ゴロヴィナ

1913年にロフチナの攻撃に対する抗議という意味を込めて、
彼女がペテルブルクに来た折にはかしずくようになりました。


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by xMUGIx | 2008-02-14 00:00 | ロシア
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