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by xMUGIx
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ロマノフ朝

◆1916年


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皇后から皇帝への手紙 1916年01月04日

【私たちの友】は絶えず戦争について考え、祈っています。
何か特別な事が起った時には、
すぐに自分に伝えるようにと【私たちの友】は言っています。


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皇后からラスプーチンへの電報 1916年04月22日

身も心もあなたと一緒。この晴れの日、私とニコライの事を祈って。
愛しています。キスします。可愛い女より。


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皇后から皇帝への手紙 1916年09月20日

【私たちの友】は、内務大臣にプロトポポフを任命するよう切に願っています。
あなたは彼を御存知ですね。いい印象をお持ちでしょう。彼は国会議員です。
だから、あの人達にどう振る舞ったらいいかわかるでしょう。
私は彼に会った事はありません。でも、【私たちの友】の叡智と導きを信じます。
あなたとロシアに対する【私たちの友】の愛は限りないものです。
あなたを助け導くために、主が【私たちの友】を送って下さったのです。


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皇帝から皇后への手紙 1916年09月22日

私はこの問題をよく考えなければならない。
人に関する【私たちの友】の意見は、時としてきわめて奇妙なものです。
だから慎重にしなければいけない。とりわけ高い地位に人を任命する場合には。


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フェリックス・ユスポフ公爵 ラスプーチン暗殺者の一人

私はなぜラスプーチンは昨日あんなに急いで帰ったのか、マリアに聞いてみた。
「何か重要な事がうまくいかなくなったという知らせを受けたそうです。
でももうすっかり大丈夫だそうです。ラスプーチン様が怒って怒鳴りつけたら、
向こうはびっくりして言われる通りにしたそうです」
「向こうって、どこの事ですか?」
「ツァールスコエ・セローです」
私はラスプーチンを怒らせた出来事が、
プロトポポフを内務大臣に任命するという事だと聞いた。
ラスプーチン一味が是が非でもプロトポポフを望んだのだが、
他の人々が皇帝に反対を奏上したのだ。しかしラスプーチンは
ツァールスコエ・セローへじきじきに出かけて勝ちを収めたのだった。
こうしている間にラスプーチンがやって来た。とても御機嫌だった。
「すべて片づけたよ。宮中まで行かなければならなかったがね。
着いたらばったりアンナに会った。まったくあの人は困る。
もうだめ、ラスプーチン様、頼みの綱はあなただけよ、ああお願いと泣き言を言うばかり。
俺はすぐに奥の間に入って行った。
すると皇后はふくれっ面、皇帝は部屋の中をぐるぐる歩き回っている。
俺は怒鳴ってやった。すると二人ともすぐに静かになった。
こんな事をしていると俺はもうあんた方を見捨てると言うと、
二人ともすっかり慌てて折れて出た。
二人ともさんざん俺の悪口を聞かされて参っていたんだ。
俺は俺の忠告に従うのが一番だと教えてやった。あそこでは俺の悪口ばかりだ。
それに皇帝は騙されている。しかし連中も長続きはせんさ。
俺がもうすぐ国会を解散させて、連中をみんな戦場に送ってやる」
「なんですって?あなはた国会の解散も自由にできるのですか?」
「なあに、そんな事は造作もないことだ。皇后は聡明だ。あの人となら何でもできる。
皇帝はまあ単純な人柄で、支配者に生まれついていない。国家統治はあの人の手に余る。
だから俺が神の恵みを得て、あの人を助けるしかないんだよ」
身のほど知らずの皇帝への侮辱の言葉に私の腹わたは煮えくり返ったが、
どうにか素知らぬふりを装った。
「俺がいなければみんな終りだったのだ。
俺の言う事が聞き入れられなければ、拳固でテーブルをどんと叩いて出て行くだけだ。
よろしい、俺はもうシベリアへ帰るからあんた達はここで勝手に堕落しろ、
神に背を向けて、皇太子が破滅し、悪魔の爪に掛かるぞとな。
するとあの人達は追っかけてきて、
あなたの言う通りにするから私達を見捨てないでおくれと言うんだ。
まあ、これが俺のやり方だ。俺の仕事はまだ終わっていない。
今はまだ早い。準備が整っておらん。
すべて満足のいくように準備ができたら、皇后を皇太子の摂政にする。
皇帝はリヴァディアに行って休んでもらう。あの人はその方がずっと幸せだ。
疲れているから休息が必要なっだ。
リヴァディアで花に囲まれて神様の近くにいる方があの人にはいい。
皇后はなかなか英明な人だ。エカチェリーナ2世と言っていい。
近頃ではあの人が皇帝の代りをしている。
議会でおしゃべりしている連中はみんな解任するとあの人は約束した。
議員どもはみんな地獄行きだ。あいつらは神に背いて事を構えようとしたのだ」


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■10月01日 プロトポポフが内務大臣に就任する


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月01日

いつ攻撃をする予定なのか、あらかじめ教えて下さい。
【私たちの友】が特別な祈りを捧げられるように。
これには特別な意味があります。


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月04日

ロジャンコやグチコフやその一味、
この卑劣漢達は想像よりもはるかに大きな何かの中心になっていて、
閣僚達の手から権力を奪い取る事を目的にしています。
私は【私たちの友】に助言を求めましょう。とてもしばしば【私たちの友】は、
他の人達の頭には浮かばないような健全な判断をするのです。
主が【私たちの友】に霊感をお与えになっているのでしょう。


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月06日

【私たちの友】は、あなたがブルシーロフらに下した命令についてこう言われました。
「パパの命令には大いに満足ですよ。事態は良くなるでしょう」


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月07日

【私たちの友】は、あなたの命令にブルシーロフが従わなかった事で激昂しています。
【私たちの友】は、あなたにこの命令を出させたのは天の導きで、
神の祝福があっただろうにと言うのです。
【私たちの友】は、あなたが御自分の決定を貫き通す事を願っています。


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皇帝から皇后への手紙 1916年10月07日

【私たちの友】がひどくがっかりしているという
君のの電報を、たった今受け取ったところです。
【私たちの友】いは、パパは賢明な手段を取るように命じたと伝えて下さい。


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月08日

お願いですから、ブルシーロフに対する命令をもう一度繰り返して下さい。
あなたは自分の意志を押し通さなければなりません。一国の主なのですから。
そうすれが、誰もがひざまずいてあなたに感謝することでしょう。
神の祝福はあなたの計画の上にあります。どうかそれが遂行されますように。


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皇后から皇帝への手紙 1916年10月10日

私のメモを手元に置いておいて下さい。
【私たちの友】はこうした諸問題について、
全部プロトポポフと話し合ってほしいとあなたに頼んでいます。


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■再婚するオリガの結婚式がキエフで行われるのを利用して
集まった一族によって会議が開かれ、
ニコライ・ミハイロヴィチ大公を皇帝の元へ派遣する事が決まった。


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ニコライ2世の日記 1916年11月02日

ニコライ・ミハイロヴィチが来訪し、昨夜長時間話し合った。

*皇帝は一族の代表が彼に渡した手紙を、そのまま彼女に同封した。

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一族の共同書簡

誰も信用できない誰もが自分を騙していると君はたびたび私に言った。
もしそれが本当なら、それは君の妻の身にも起こっているのだ。
彼女は自分を取り巻く連中に悪意のある大嘘を吹き込まれて誤解している。
君は妻を信じている、それはわかる。
だが彼女の口から出る事は、巧妙な歪曲の結果であって実際に正しい真実ではない。
もし君にこのような影響から彼女を引き離す力がないなら、
少なくとも君の愛する妻を通じて行われる絶え間ない干渉や呪文から自分を守るのだ。
私は君に真実を打ち空けるべきか長い間迷っていたが、
君の母上と妹御達に説得されてようやく決意したのだ。
君は新しい動乱の時代の前夜にいる。
はっきり言おう、暗殺の前夜にあるとさえ言ってもいい。
私を信じてくれ。ひとえに君と君の帝位と愛する祖国を、
取り返しのつかぬ結果から何としても救いたいと願うからだ。


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皇后から皇帝への手紙 1916年11月04日

私は彼の手紙を読み、怒りで息が詰まりそうになりました。
どうしてあなたは話の途中で、彼をシベリア送りにするそ、
これは国家への裏切りと紙一重だからだ、と彼に言ってやらなかったのですか。
彼はいつも私を憎み、22年間私を悪く言い続けてきました。
しかもこんな重大な時期に、
あなたのママと妹達の背後に隠れて皇帝の妻を守ろうとする勇気もないなんて、
これは卑劣な裏切り行為です。
彼とニコライ・ニコラエヴィチ大公がはあなたの最大の敵です。
妻はあなたの支えです。妻は石の壁のようにあなたの背後に立っています。

【私たちの友】はニコライ・ミハイロヴィチの手紙を読むとこう言いました。
「この手紙のどこにも主の御慈悲は見当たらない。
あるのは悪だけだ。すべては取るに足らない事だ」


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皇帝から皇后への手紙 1916年11月05日

手紙を君に転送して、
君の気分を害しひどく怒らせてしまった事が、私には悔やまれてならない。
彼が君の事を何か言い出したら、
君の夫が君の擁護に乗り出さぬわけがないではないか。


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皇后から皇帝への手紙 1916年11月12日

これは君主制とあなたの威信にかかわる問題なのです。
これで終わるとは思わないで下さい。
彼らはあなたに忠実な人々を一人ずつあなたから遠ざけ、
その後で私達自身を退けようとしているのです。


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ニコライ・ミハイロヴィチ大公の日記

皇帝アレクサンドル3世の時代には、
少数の信頼できる人間からなる内密のサークルがあった。
ニコライ2世の場合、23年の統治ののち一人の友人も残さなかった。
親類の中にも、上流社会の中にも。


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■11月23日皇帝から首相になることを打診されたトレポフは、
内務大臣プロトポポフを更迭するならば引き受けるという条件を出す。
プロトポポフは梅毒が脳に回り、正常な判断を下せる状態ではなかった。


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皇帝から皇后への手紙 1916年11月23日

君は交代の事をもう知っている頃でしょう。
今どうしてもそれをしなければならないのです。
プロトポポフは良い人間です。しかし彼は考えがくるくる変わってしまい、
一定の意見を守り抜く判断ができないのです。
このような時代に内閣をそんな人物の手に委ねるのは危険な事です。
ただ、お願いだから【私たちの友】を巻き込まないで下さい。
責任を負っているのは私です。自分で自由に選択したいのです。


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皇后から皇帝への手紙 1916年11月23日

あなたのため、そして私達のために、もう一度思い出して下さい。
あなたには【私たちの友】の祈りや忠告が必要なのです。
プロトポポフは【私たちの友】を崇拝しています。だから神の祝福もあるのです。
ああ、愛しいあなた、私は神にお祈りしています。
【私たちの友】があなたを正しい信仰へと導き、
【私たちの友】にこそ私達の救いがあるという事をあなたが悟るようにと。
お願いですから、どうか私がそちらに行くまで誰も更迭しないで下さい。


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■皇后は大本営に乗り込み、皇帝は折れ、プロトポポフを留任させた。


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ラスプーチン暗殺者の一人 国会議員プリシュケヴィチの演説 1916年12月02日

諸悪の根源は闇の勢力である。この闇の勢力が、
本来高い地位に就く事のできない者達をむりやり出世させてやっているのだ。
諸悪の根源は、ラスプーチンによって率いられている勢力なのだ。
私は近頃眠ることもできない。
横になっていると、あの読み書きもろくにできぬ農夫が
あちこちの大臣に宛てて書いている電報や通知などが頭に浮かぶからだ。
2年半の戦争の間、私は戦時中は国内のいさかいは忘れるべきであると思っていた。
しかし今、私はこの禁を破る。
民衆を戦場に送り出したのは操り人形と化した大臣達だが、
その操り人形の糸をしっかりとつかんでいるのはラスプーチンと皇后である。


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ラスプーチンから皇帝への電報 1916年12月02日

厚かましくもプリシュケヴィチは罵詈雑言を吐いた。
だが、そんな事は痛くも痒くもない。神があなた方を力づけて下さるだろう。
勝利はあなた方のものであり、船もあなた方のものだ。
誰もその船に乗る権利は持っていない。


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皇后から皇帝への手紙 1916年12月04日

あなたが君主である事を彼らに見せてあげなさい。
彼らに服従を教えなければなりません。
なぜ彼らが私を憎むのか?私が強い意志を持ち何かが正しいと確信したら、
そして【私たちの友】が私を祝福したら、
私が絶対に意見を変えない事を彼らは知っているからです。


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ラスプーチンから皇后への電報 1916年12月05日

信じなさい。そして、おじけづいてはならない。
自分の帝国を欠ける所のない完全な形で、あなたの息子に渡すのだ。
父親が受け取ったのと同じものを、あなたの息子も受け取ることだろう。


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皇后から皇帝への手紙 1916年12月14日

国会を延期するというやり方は完全にまちがっています。
【私たちの友】が14日に国会を閉会するようにあなたに言ったではありませんか。
ピョートル大帝になりなさい、イワン雷帝になりなさい、パーヴェル1世になりなさい。
忌まわしい事などできぬよう彼らをみな震え上がらせなさい。
私は恐れる事なく愛する私のボーイに書いているのです。


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皇帝から皇后への手紙 1916年12月14日

君の叱責にやわらかく御礼を言う。私は読みながら笑いを禁じえなかった。
というのは、幼子に諭すように私に言っていたからだ。


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皇后からラスプーチンへの電報 1916年12月15日

まったく手紙を書いてくれない。ひどくあなたが恋しい。早く来て。
ニコライのこと祈って。愛しています。キスします。かわいい女より。


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ニコライ2世の日記 1916年12月15日

アンナの家でグリゴリーと話をしながら、晩のひとときを過ごした。

*これがニコライとラスプーチンの最後の別れとなる。

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皇后から皇帝への手紙 1916年12月17日

あなたが君主である事を、すべての人々に見せておやりなさい。
彼らには服従を教えてやらなければならないのです。
あなたは善良で寛容なあまり、連中を甘やかして駄目にしました。
【私たちの友】の祈りと助力に対する深い信仰がもうちょっとあれば、
すべてはうまく行くのです!事態は良くなりつつあります。
【私達の友人】の夢には特別な意味があるのです!


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皇后から皇帝への手紙 1916年12月19日

私達は昨晩、アンナの家で快適に穏やかに過ごしました。
リリも少し遅れからきて、それからマリアもやって来ました。
【私たちの友】は気分がよく朗らかでした。
【私たちの友】は絶えずあなたの事を考えて下さっていて、
これからはすべてがうまく行くに違いありません。
支配者になって下さい。あなたの気丈な妻と【私たちの友】の言うことに従って下さい。


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アンナ・ヴィルボワの付き添い医師 ジューク

昼の12時頃マリア・ゴロヴィナから電話がかかってきて、
ラスプーチンが外出したまま帰宅していないとのことでした。
アンナはすぐにこの事を宮廷に伝え、ひどく心配し始めました。
そして、絶え間なくペテルブルクと電話で話していました。

アンナは皇后の命令に従って、宮廷に引っ越してそこで寝泊まりする事になりました。
彼女も殺されるかもしれないという恐れがあったからです。
特に危険だからと警戒されていたのが、若い大公達でした。
私は、大公は誰も通してはいけないと命じられました。


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皇后から皇帝への手紙 1916年12月30日

私達はみんな一緒にいます。【私たちの友】が消えてしまったのです。
昨日彼はアンナに、「ユスポフ公爵から今夜来てくれと言われている。
妻のイリナに会う事になっている。車が迎えに来るのだ」と彼女に言ったそうです。
彼の家に迎えの自動車が来ました。
平服の男2人が乗っていて、彼はその自動車に乗って出かけました。
その夜遅く、ユスポフ公爵の家で大変な騒ぎがありました。
大集会で、ドミトリー大公やプリシュケヴィチ議員などが集まり、
みんな酔っていたそうです。
警官が銃声を聞きつけました。プリシュケヴィチが走り出てきて、
【私たちの友】が殺されたと警官に叫びました。
ユスポフ公爵は今夜クリミアに発つつもりだそうです。
私は彼を引き留めておくように、プロトポポフ内務大臣に命じました。
ユスポフ公爵は【私たちの友】を家に呼んだ事など一度もないと言い張っています。
どうやらこれは罠だったようです。
私は今でもまだ神の慈愛に頼り、彼はどこかへ連れ去られただけだと思っています。
もう不安で不安でたまりません。すぐに戻ってきて下さい。
あなたがここにいらっしゃれば、誰もアンナには手出しできないでしょう。


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皇后から皇帝への電報 1916年12月31日

あなたが戻ってこられるまで、
あなたの名においてドミトリー大公に外出禁止を命令しました。
今日ドミトリー大公は私に会いたいと言ってきましたが、私は拒否しました。
首謀者は彼です。


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皇帝から皇后への電報 1916年12月31日

たった今、君からの手紙を読んだところです。
衝撃を受け、激しい怒りを感じています。
君達とともに祈り、考えている。明日6時に帰ります。


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パーヴェル・アレクサンドロヴィチ大公の妻オリガ

夫は皇帝とお茶を飲み、平穏と至福の表情が陛下の顔に浮かんでいる事に驚いた。
陛下がこんな風に昂揚した気分になるのは久しくない事だった。
陛下はあまりにも妻を愛しておられたので、妻の願いには背くことができなかった。
だから、運命のおかげで自分から行動する必要から解放されて幸せだった。


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by xMUGIx | 2008-02-16 00:00 | ロシア
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